自転車ライトのキャットアイ「GVOLT70(HL-EL551RC)」は、対向車(対向者)に配慮した配光の自転車ライトです。
対向が眩しく感じにくく遠くを照らすことが出来ます。
同様のライトで、ジェントスの「AX-002MG」もあり、このライトを使用してました。
GVOLT70を購入するきっかけは、AX-002MGで何度か対向車にパッシングされたから。
AX-002MGも上カット配光のライトですが、ライトの角度調整がシビアで少しでも上向きにすると対向から眩しく感じます。
GVOLT70も上カット配光のライトですが、AX-002MGとライト正面の形状が異なります。
GVOLT70を実際に使ってみると、AX-002MGより配光が良く、点灯時間も長くて良いライトです。
GVOLT70の特徴
GVOLT70の一番の特徴は対向に配慮した上カット配光のライトです。
車のロービームの様に対向の人や車から眩しく感じないようになっていて、そのためライトの角度を上向きにしやすく対抗に配慮しつつ遠くを照らすことが出来ます。
同様の上カット配光のライトは他にジェントスの「AX-002MG」もあります。
ライト正面を見ると、それぞれ違う方法で上カット配光を実現していて、形状が異なります。
GVOLT70は中心に大きなレンズと上下にブラインド模様があり上下に漏れた光は拡散されます。
AX-002MGはLEDチップが上面に装着されていてアルミ板で光を反射しています。
ちなみに、海外のキャットアイの公式ページを確認すると日本で未発売のGVOLTが何種類か出ています。
GVOLTはドイツ規格のStVZOに適応したモデルで、StVZOの基準の1つに「ヘッドライトは他の道路利用者を眩惑させないように調整する」と決められています。※ドイツ語のためGoogleChromeによる翻訳
GVOLT70はそのドイツ規格に適応したライトですが、日本で発売されている製品は点滅モードの搭載やバッテリーの持続時間が長くなるなど海外版と仕様が異なります。
そのため日本仕様のGVOLT70は、厳密にはドイツStVZOから外れます。
GVOLT70の点灯時間を計測
満充電から「ハイ・ミドル・ロー」順で点灯時間を実測しました。点灯時間はスイッチONにした時間から計測なので、最初のモード切替中の数秒~10秒程度の時間も含みます。
点灯時間はアクションカムで撮影した動画ファイルの再生時間から計測してます。
なお、アクションカムは仕様で連続撮影は10時間程度でストップします。そのためローモードは手動で録画ボタンを押して複数回に分けて撮っているので、動画ファイルの撮影日時と再生時間から点灯時間を計算して計測してます。
インジケーター | ハイ (260lm) | ミドル (200lm) | ロー (50lm) |
---|---|---|---|
赤 | 5:20:38 | 7:13:33 | 37:20:09 |
消灯 | 7:15:08 | 9:36:49 | 41:25:36 |
カタログ公称値 | 7時間 | 9.5時間 | 40時間 |
点灯時間は、製品の個体差、バッテリーの使用度、温度などにより変わるので、あくまでも参考値になります。
ハイモードで運用しても、夜道を片道30分で週5日は持ちそうです。
なお、バッテリー交換は出来ないので、電池切れが起きるとカートリッジや乾電池式のように電池交換が出来ません。
インジケーターが赤色に点灯したら充電が望ましいですが、ハイで残り1時間以上は持つようなので、街乗り程度なら帰ってこれる時間はありそうです。
夜間ライドは予備ライトが必要かも
日の出を見に雨晴海岸に行くとしましょう。この前走った経験から家から60kmで6時間です(パンク無しで)。
倶利伽羅の天田峠の山越えもあります。しかも夜間走行です。
2灯体制で走るとしても、GVOLTの点灯時間が長くてもバッテリーに不安があります。
GVOLT70は充電中の使用やバッテリー交換もできないので、予備ライトが必要になりそうです。
GVOLT70の配光テスト
手取川河川敷GVOLT70とAX-002MGの配光テストを行います。
橋の外灯や周辺に工場の明かりがありますが、河川敷は暗い場所です。
ハンドルにライトとカメラを固定。カメラの設定はマニュアルモードで、肉眼に近い感じになっていると思います。
GVOLT70は下向きに固定するので、ハンドルの下に取り付けてます。
5m前方でしゃがんだ状態で眩しくないように角度調整
小さい子供とすれ違うことを想定して、ライトの角度は5m前方でしゃがんだ状態で眩しくないように調整しています。
自転車からの距離はスマホのGPSアプリで距離を計測のため、誤差があります。
GVOLT70とAX-002MGの配光を確認
横風が強く何度も自転車が転倒したので、近くのコンテナが置いてある場所に移動して再度配光テストします。
ライトの角度は先ほど同じく5m先でしゃがんでも眩しくないようにしてます。
5m前方の路肩に目印としてリフレクター付きの裾バンドを置いてます。
画像は拡大できます。暗くて分かりにくい場合は、画面の光量を最大にして見てください。
ライトの明るさはGVOLT70は3段階ですが、AX-002MGは2段階しかないため「ハイ・ロー」のみです。
GVOLT70は矢印の様な配光で、AX-002MGは台形です。照射範囲はGVOLT70がワイドに照らしています。
どちらも、前輪の足元は暗いので、足元照らす用に適当なライト1灯追加であるといいでしょう。
10m先の人の視認性を確認
10m先で立った状態で対向者の視認性を確認します。
どちらも足元が認識出来ています。上カット配光のため、上半身は認識しずらいです。
GVOLT70のローは暗いですが、それでも足元が認識出来ています。
20m先の人の視認性を確認
20m前方に立って対向者の視認性を確認します。
20m先は認識出来るか微妙なところです。外灯や月明かりから、かろうじて認識できる程度です。
ライトの角度を少し上げて20m前方の人の視認性を確認する
GVOLT70はライト正面の上下にブラインド模様になっているので、角度を少し上向きにしても強烈な眩しさはありません。
なので、角度を少し上向きにして20m前方の人の視認性を確認します。
GVOLT70はライト正面の上下がブラインド模様になっているので、少し角度を上向きにしてもあまり眩しく感じません。
この状態で、5m前方でしゃがむと、ギラギラ眩しいですが目に刺さる眩しさはありません。
これ以上上向きにすると5m前方でしゃがむと目に刺さるほど眩しくなります。
AX-002MGも同じように上向きにしたら、かなり眩しいですが、GVOLT70と同じく、20m前方の対抗者の視認性を確認します。
今回はハイモードのみの確認です。
どちらも視認できました。AX-002MGのほうが全身まで確認できてます。
一見、AX-002MGの方が良さそうですが、AX-002MGは前方に立っていても眩しいです。
AX-002MGの角度調整はシビアで最初のテストから角度を少し上げただけでこの状態です。
前方5mでしゃがむと目が熱いぐらいに眩しくなります。
配光テストの結果から、GVOLT70はAZ-002MGと比べて対向に配慮しつつ遠くを照らしやすいライトだと分かりました。
横から自転車の視認性も確認
簡単に、横から自転車を見た時の視認性も確認します。
コンテナや路面に光が照らされていますが、ライトから漏れてる光に注目します。
自転車を真横から見た状態だと、AX-002MGの方が視認性が上です。
標識の見え方も確認
走行中に撮影してたアクションカムから道路標識の照らし方も確認します。
走行中なので、GVOLT70とAX-002MG両方を点灯させて、光が漏れないようにAX-002MGを手で塞いでいます。
GVOLT70の方が標識を照らしていますが、それでも暗くて行先の地名までは読めません。
「止まれ」などの標識の認識は出来る程度です。
GVOLT70は点灯時間が長遠くを照らせる配光の自転車ライト
GVOLT70は点灯時間が長く配光も良いライトです。
ライト正面上下のブラインド模様のお陰で同じ上カット配光のAX-002MGよりも遠くを照らすことが出来ます。
外灯がほとんどない田舎の街乗りならGVOLT70がかなり役立つライトです。
バッテリーの持ち時間も長いので、毎回充電する必要もなさそうです。
ただ夜間ライドの場合は、GVOLT70のバッテリーでも不安はあるので予備ライトがあるといいでしょう。
山間部は走ってないので分かりませんが、恐らくGVOLT70の1灯だと暗いので、もう1灯明るいライトを使うなど対策を考えると良さそうです。