GENTOSの「XB-350B」は対向者に考慮した上カット配光のライトです。明るさは110lmとルーメン値は高くはありませんが、2700カンデラで意外にも明るいです。
ゆっくり走る街乗りや、もう1灯の補助ライトとしてとても良いライトだと思います。
XB-350Bの特徴
上カット配光が特徴のライト。上カット配光のライトは懐中電灯のような全体を照らさずに車のロービームのように対向の人や車に眩しく感じにくいライトとなっています。
同様のライトとしてGENTOSのAX-002MGや、CATEYEのGVOLT70などがあります。
XB-350Bは単三電池2本で動作するので、コンビニなどで電池の入手性も良く、使用する電池も2本なので売られている電池の本数と相性も良いです。
スペック
GENTOS「XB-350B」、GENTOS「AX-002MG」、キャットアイ「GVOLT70」のスペック表です。
型番 | XB-350B | AX-002MG | GVOLT70 |
明るさ | High:110lm(2700cd) Eco:未公表 | High:200l,(2200cd) Eco:未公表 | High:260lm(7000cd) Middle:200lm Low:50lm |
点灯時間 | Hi:5時間 Eco:10時間 | Hi:6時間 Eco:12時間 | Hi:7時間 Mid:9.5時間 Low:40時間 |
電池 | 単三電池2本 (エネループ使用可) | 単三電池3本 (エネループ使用可) | 充電池 (電池は交換不可) |
防水性 | IPX4(防沫形) | IPX1(防滴I形) | IPX4(防沫形) |
本体質量 | 85g(電池含む) | 150g(電池含む) | 96.5g |
発売日 | 2013年6月頃 | 2012年11月頃 | 2019年7月頃 |
公式サイト | 商品ページ | 商品ページ | 商品ページ |
※メーカー商品ページから仕様を抜粋。AX-002MGは既に生産終了
XB-350Bは他の2製品と比べて明るさが暗いですが単三電池2本で手軽に使用できます。
XB-350Bの外観
スイッチのボタンがお尻の方にあります。ONの時は青の常灯でバッテリー残量が少なくなると赤点滅に変わります。
上カット配光でLEDチップが上面にあるため、ライト正面からLEDが見えません。
リフレクターの下側がギザギザ模様になっており、下から真上に反射する光を和らげています。
同じGENTOSのAX-002MGにはギザギザが無いので、XB-350Bは工夫がされています。
単三電池2本で動作します。エネループにも対応しています。
ただ、電池は外しにくいです。マイナスドライバーや硬貨のコインなど使うと簡単に取り出せます。
防水性能はIPX4ですが、電池蓋にパッキンがされていないので防水性はなさそうです。
XB-350Bのブラケット
XB-350Bのブラケットは、結束バンド(タイラップ)のようにバンドを縛ってハンドルに固定します。
リリースボタンを押すとバンドが開く方向に動くのでブラケットを取り外すことが出来ます。
ライトを取り付けるとロックボタンを押して固定します。装着時に自動で固定されないので注意しましょう。ライトを外す時もロックボタンの反対側を押して解除してから取り出します。
ライト首振り機構
ライトの首振りは左右に10°ずつ動きます。
無段階という感じではなく、カチッとクリック感があり左右に10°しか変えられないためハンドルの湾曲などで微妙に向きを変えたいことは出来ません。
ライトの取り付け位置はフロントフォークのキャリパーブレーキや泥除けを取り付ける穴に金属ステーを固定してミノウラのアクセサリホルダーのパイプに取り付けています。取り付け方はこちら
XB-350Bの点灯時間
付属のパナ製アルカリ電池、Amazonベーシックのニッケル水素、パナ製エネループで点灯時間を確認します。アルカリ電池はハイモードのみで、充電池はハイ・エコモードです。
点灯時間は、アクションカムで撮影した映像の再生時間から算出しています。
インジケーター | ハイモード (アルカリ電池) | ハイモード (Amazon) | ハイモード (エネループ) | エコモード (Amazon) | エコモード (エネループ) |
赤点滅 | 2:59:41 | 5:07:30 | 4:47:47 | 10:23:53 | 9:56:34 |
消灯 | 5:20:50 | 5:26:41 | 5:08:43 | 10:42:48 | 10:19:22 |
※点滅モードは普段使わないため未計測
どの電池もカタログ公称値より長く点灯しますが、極端に長いわけではないのでほぼ公称値通りでしょう。
消灯時はパッと消えます。豆電球のような小さい灯りで点灯し続ける事は無いので、充電池の運用を考えるとこれは嬉しい。
バッテリーインジケーターはアルカリ電池ーが赤点滅に変わってから消灯まで時間がありますが、充電池の場合赤点滅に変わってから消灯までの時間が早いです。
専門的な事は分かりませんが、負荷に強い充電池の方が安定して電力を供給しているためかと思います。
なお、インジケーターが赤点滅のまま使用し続けると、消灯の手前で明かりが不安定になります。
この映像は、アルカリ電池での点灯時間測定の動画5時間半を1分半に倍速した動画ですが、動画の1分10秒ぐらいからインジケーターの点滅に合わせて明るさが不安定になり、そのあと消灯します。
実際の時間だと明かるさが不安定なってから30~40分ほどで消灯しています。充電池の場合は明るさが不安定になってから15分ほどで消灯してます。
満充電と消灯後の電池の電圧
消灯時の電圧も測りました。アルカリ電池は消灯してから数時間後に測定したので、あくまで参考です。
アルカリ電池 | Amazon | エネループ | |
満充電の電圧 | 1.606V | 1.459V | 1.467V |
1.607V | 1.463V | 1.471V | |
消灯後の電圧 | 1.273V | 1.035V | 1.037V |
1.270V | 1.020V | 0.969V |
電池の電圧が1Vほどに低くなると消灯します。
XB-350Bの明るさと前方の人の視認性
暗い河川敷で配光と対向者視点の確認をします。
確認方法はスマートフォンのGPS計測アプリを利用して、5m,10m前方にリフレクター付き裾バンドを置いています。ライトの角度は5m前方でしゃがんだ状態で刺さるような眩しさは無い程度に下向きにしています。
また、10m前方でしゃがんだ状態でライトの角度を眩しくない程度に上向きにしても前方の人、対向者からの見え方も確認しています。
距離はGPSアプリによる計測なのであくまで参考に。
それぞれ、XB-350B、AX-002MG、GVOLT70と比較しながら見ていきます。撮影のカメラはマニュアルモードで明るさを固定です「F3.4、0.5秒、ISO400 MF∞」。
明るさの比較(ライトの角度は5m前方)
XB350Bは他の2つと比べて配光の幅が狭いです。AX-002MGは少しワイドですが、独特の配光のGVOLT70が一番ワイドに照らしています。
XB-350Bのエコモード(ロー)だと少し暗くなりますが、ルーメン値の割にカンデラが高いのでエコモードでもそれなりに明るく照らしています。
ハイモードで5m前方の対向者視点
5m前方でしゃがんだ時と立った時をスマホで撮影しました。ライトの角度は5m前方でしゃがんだ状態でも眩しくない程度に下向きにしていますが、目に刺さる眩しさはないですが少し眩しいと感じる明るさになっているかもしれません。
なお、スマホ撮影のため手ブレが発生してる写真もあります。
ライトの角度は厳密には行っていないため、あくまで参考程度です。
実際の見え方だと「XB-350B>GVOLT70>AX-002MG」の順にXB-350Bが一番対向に配慮した感じでした。
写真だとGVOLT70は眩しいように見えますが正面の中心レンズの上下にギザギザ模様が付いてて光を和らげているので、思ったより眩しく感じないです。
ただ、自転車との距離が近いので、どのライトもしゃがんでいると逆光によって周りが見えにくくなります。すれすれをすれ違う際は光量を落としたりライトの角度を下に向けるなど配慮したほうが良さそうです。
10m前方の視認性を比較(ライトの角度は5m)
服装は、下はベージュのレインウェア、上は黒色のジャンパーに白いヘルメットをしています。
ハイモード
どのライトも確認出来ています。GVOLT70が一番明るいでしょうか。上カット配光のため上半身は暗くて写りません。
ハイモードで10m前方の対向者視点
10m前方での対向者視点も確認します。ライトの角度は5m前方の時と同じです。こちらも、しゃがんだ状態と立った状態でスマホで撮影しています。
10mも離れると眩しい感じはしません。しゃがんだ状態で逆光によって周りが見えない感じもありません。
ロー・ミドルモード(10m前方に人)
GVOLT70は明るさ3段階のため、ローとミドル両方も確認します。
ハイモードと同じくどのライトも人を照らしていますが、AX-002MGは一番低く足元を照らしている程度でしょうか。
GVOLT70のローモードは暗いですが、かろうじて足にライトが照らされています。
20m前方の視認性を比較(ライトの角度は5m)
リフレクター付きの裾バンドが2本しか持っていないので、20m前方には白いスマホ手帳ケースを立てて置きます。これで、5m、10m、20mの距離が分かるかと思います(GPSアプリによる距離測定なので目安ですが)。
ハイモード
XB-350Bはスマホ手帳と足元がかろうじて認識できる程度ですが、GVOLT70は膝下まで認識出来ています。AX-002MGは20m前方まで光が届いてないようです。
ロー・ミドルモード(20m前方に人)
20m前方の人を認識するにはローだとどのライトも厳しいですね。GVOLT70のミドルモードが認識出ている感じでしょうか。
ライトの角度を10m前方にして対向者視点(しゃがんだ状態)
ライトの角度を10m前方でしゃがんだ状態で眩しくない程度に上向きにしました。
まず初めに、10m前方に立って対向者視点で確認します。
ハイモードで10m前方の対向者視点(ライトの角度は10m前方)
ライトの角度を上向きにしたことで5m前方の視点に近い感じになりました。
ハイモードで20m前方の対向者視点(ライトの角度は10m前方)
この状態で20m前方でしゃがんだ状態も見てみます。
しゃがんだ状態で眩しく感じません。
ライトの角度を10mにして明るさ比較(10m前方に人)
ハイモードだけです。
腰のあたりの手の位置まで見えるようになりましたが、AX-002MGは手は暗く照らす高さが低いです。XB-350Bも遠くまで照らしていますが、GVOLT70が有能でしょうか。
ライトの角度を10mにして明るさ比較(20m前方に人)
ハイモードだけです。
XB-350BとGVOLT70で下半身が見えるようになました。AX-002MGはかろうじて足元が見えてるぐらいしか照らしていません。
XB-350Bも良い感じなのですが、GVOLT70はレンズの上下のギザギザ模様のおかげでXB-350BやAX-002MGより、より遠くを照らせているようです。
こうして見ると前方の人の認識は対向の人の視点も考慮して、GVOLT70が一番よく次にXB-350Bも頑張っていると思います。
XB-350BとGVOLT70は対向の人に眩しさを考慮しつつより遠くを照らせるライトと言えるでしょう。
XB-350Bの配光を確認
ライトの角度は10m前方でしゃがんだ状態で眩しくない程度にしています。配光の確認なのでスマホで撮影。
明るさはハイモードのみです。
前方の配光を比較
上カット配光のためどのライトも手前はあまり照らしてくれません。
どのライトも照らされている場所と照らされていない場所ではメリハリがハッキリとしています。そのため、暗い生活路の道を曲がる際は路肩の用水路など見ずらいです。
ゆっくり走ったり慣れた道を通る時は良いのですが、どのライトも1灯だで知らない道を走るには不安があります。
XB-350Bは配光が狭いですが遠くを照らしいます。手前の配光を抜きにしたらGVOLT70がワイドで遠くも照らしていて良さそうです。
横からの視認性も比較
XB-350BとAX-002MGはサイドから光が漏れる構造になっているので、目立ちます。その中でもAX-002MGがより目立つ感じです。
GVOLT70はライト正面に縦のアクリル板の突起が付いているだけなので、他の2つのライトより横からの視認性は落ちます。
XB-350BとGVOLT70の2灯は見やすい
手前をXB-350B、遠くをGVOLT70の2灯体制で河川敷を走りましたが、この2灯の組み合わせはとても見やすいです。
GVOLT70を遠くに照らすと手前が見難くなるのですが、XB-350Bで手前を照らしてカバーすると凄く見やすくなりました。速度は25km/hほどですがGVOLT70はXB-350Bよりもワイド配光なので1.5車線程度の河川敷も走りやすくなりました。
XB-350Bは2灯目の補助ライトや市街地をゆっくり走るライトに最適
配光は狭いですが中心が明るいので市街地をゆっくり走るには良いライトです。単三電池2の本で動くのもお手軽です。
真っ暗な河川敷を走るのにXB-350Bの1つだけだと不安がありますが、GVOLT70の補助ライトとしての組み合わせはとても良いと思います。